高齢者、高齢期に向かう患者様へ
加齢とともに歯数は減少し、咬合力、味覚などの口腔機能が低下してきます。歯の数は寿命に関する様々な因子の影響を調整したうえでも長寿と関係があるといわれています。70歳で咬合力の低い人は、緑黄色野菜、魚介類の摂取が少なく、動脈硬化の予防につながる食品群である抗酸化ビタミン、食物繊維などの摂取が少なくなります。また、タンパク質の摂取の低下を介して、下肢の運動機能の低下や転倒の要因になることも指摘されています。
そのため高齢者、高齢期に向かう患者様は、歯の喪失により咀嚼(栄養)障害を起こし自立度が低下していきます。オーラルフレイル。フレイルによる心身の脆弱性が高まる前の健康な時期に治療をすることで、健康寿命を延ばして、その恩恵を少しでも長い期間、受領することが重要だと考えています。
60歳頃から75歳頃までに、口腔機能障害の予防や改善を図り、咀嚼機能の改善、嚥下機能の改善を図ることは、75歳以降の咀嚼機能の維持、嚥下機能の維持につながります。
咬合力を回復するために、義歯の治療より、インプラントの治療が優れています。咬合力の比較では、義歯は天然歯の1/4 から1/6程度であり、インプラントは天然歯に近いです。義歯の治療のなかでは金属床義歯はレジン床義歯と比べて1.5~2倍咬合力が優れています。
当院では、オールオンフォーのような全額的な治療から少数歯のインプラント治療、金属床義歯まで幅広く治療を行っております。とくに高齢者もしくは高齢に向かう患者さんの少数歯のインプラント治療では、できるだけ短期間に安全に、低侵襲なインプラント治療を心がけております。